海外転職 経験記2 現地採用の懐事情
今回は僕がシンガポールで働いていた時の懐事情について書きたいと思います。
某日系企業の現地採用という立場での内容ですので、数ある中の一例として、参考にして頂ければと思います。当然ながら、企業規模やポジション、その時々の景気や為替(現地通貨に対して円安 or 円高)、現地の物価指数(インフレ or デフレ)等、様々な要因から給与相場は形成されています。
先ず、「現地採用」って何?ですね。
端的に説明すると、その名の通り、日系企業の海外現地法人へ入社する事です。
メーカーや商社で働かれている方々は、海外支店と言えば馴染みがありますかね。よく現地法人を省略して現法(ゲンポウ)と呼んだりします。
現法には、主にはその国の国籍の人達が構成員となりますが、一方で自分のように日本人であっても、現地採用として働く人達が存在します。これは市場は海外であっても、取引先や顧客が日系企業であったり、本社(日本)と海外支店の連携において「日本人であること」のメリットやニーズが、日系企業にはある程度あるからです。もちろん海外の取引先や仕入先との会話が日常的に発生するので、基本的なビジネス英語力は求められます。
したがって、「現地採用」という時、それは「日系企業の海外現地法人が雇用主という形態のもとで働く海外居住者である日本人」を意味します。
さて、僕は2012年にシンガポールへ転職しました。
当時の為替は1シンドル約65円でしたので、日本円に換算すると、約24.7万円です。
ポジションは営業。年齢的には第二新卒枠に該当すると思います。
現在の為替レートは(2017年1月8日)1シンドル約81円です。随分と円安が進行していますね。同国での物価上昇率を考慮したとしても、3,800ドルは現在の為替水準からだと少し高めかなと。なので自分と全く同じ年代・ポジションだとしても現在の給与相場は調整(下方修正)が入っていると思われます。
次に生活感ですが、他の東南アジア諸国と比較してもシンガポールは全体的に物価が高いです。特に不動産が高い。東京より高いんちゃうかなと思います。日本みたいに、一人暮らし用のワンルーム物件がそもそもありません。国土が狭い(都市国家シンガポールの広さはだいたい東京23区くらい)ため、シンガポールの人達は基本的に実家暮らしなのでワンルーム需要なんてないのです。その代わりに、世界中からモノ(中継貿易地として繁栄)とカネ(世界の金融センターとして成長)の戦略的誘致に成功して大発展を遂げたこの国には多くのお金持ちの外国人が住んでいます。そういった人達は高級コンドミニアム(間取りは2LDK〜3LDKが多い)で生活している人が多く、その家賃がべらぼうに高いのです。
都心の一等地では家賃が100万円以上する物件がざらにあります。少し都心から離れるにせよ、外国人(日本からの転勤組も含めて)が住むコンドミニアムの家賃相場としては20〜30万円/月にのぼると思います。(もちろんシンガポール人でもお金持ちの人達はコンドミニアムに住んでいます。そのことは一つのステータスのようです。)
少し話を戻します。
自分の場合、月給が24万円程度だったと紹介しました。
コンドミニアムに住むには最低でも月20万円はかかるとして、もうそれで終わりですね。全然足りません。じゃあ、どうするか。
だいたい、ルームシェアをします。
僕も同じく現地採用の日本人の方々と当初はルームシェアをして暮らしていました。
それでも光熱費を入れて諸々全部込みで、月々800〜900SGDは払っていたように思います。自分の場合は、その後に縁あって、とある現地のシンガポール家族と一緒に住むようになって経済的に随分と助けられました。
・交通費
あまりかかりませんでした。タクシーに乗る事も多かったですが、こちらは運賃は日本よりも随分安く、また電車・バスの公共交通網が非常に発達しているので、移動で困ることはほとんどなかったです。
・食費
大衆食堂的な現地の屋台は非常にリーズナブルですが、日本食やそれなりのレストランに行くとやはりそれなりにお金がかかります。毎日は無理です。
とはいえ毎日屋台も自分の場合はきつかったので、簡単に自炊したりもしていました。
・通信費
携帯を購入して使っていましたが、日本より安かったです。日本では大手キャリア3社、だいたい横並びとしてスマホ代は月8000円〜1万円くらいではないでしょうか。
シンガポールでは同じくスマホ利用で月3000〜4000円程度だったと記憶しています。
なので僕は日本の携帯(スマホ)料金は高いな〜っとつくづく思っております。
・交際費
これは本当に人によると思います。
ざっくりですが、飲み会に参加してワイワイしてだいたい一人5,000円くらい払っていたように思います。これは感覚的に日本とあまり変わりませんかね。ただし自分の場合は普段お酒を飲まないので、シンガポールはお酒が高いと言われているので飲む方は日本よりも高いと感じるかもしれません。
以上、ざっと自分の経験値をもとに紹介させて頂きました。
簡単にまとめると、住居費(家賃)を如何に自分の収入に見合ったバランスで選択するかが一つのポイントになると思います。しっかり家計簿を意識しながら過ごす分には、月々の貯金も出来ましたしたまの贅沢もしながら、感覚的には日本で生活していた時(東京での独身生活)とあまり大差ない収支だったと思います。
以上、良かったら参考にして下さい。
おかず